PMTC(機械的歯面清掃)おすすめです!
歯のクリーニングとは、さまざまな器材を用いて、歯の表面に付着している汚れ(プラークおよびステイン)を機械的にきれいに磨き上げていく処置です。英語ではProfessional Mechanical Teeth Cleaning と呼ばれ、その頭文字をとって「PMTC」と略されております。
プラークとは?
「歯垢(しこう)」と訳されますが、ただ「垢(あか)」がつくだけではありません。その実体は、口腔内に常在しているさまざまな細菌の塊で、ある細菌はむし歯をつくる原因になるし、別の細菌は歯周病をひきおこす原因になるのです。
ステインとは?
上述した「ステイン」もプラークの一種です。比較的むし歯になりにくい歯面についているので、為害作用があたかもないかのようですが、むし歯や歯周病をひきおこすさまざまな細菌の塊であると考えれば、決して放置しておいてよいものではありません。
PMTCのコース紹介
PMTCでは以下のコースがございますので、ご利用ください。
① フルクリーニング
60分以内、5400円のコース
上下すべての歯が対象となるコースで、当院開設当初から行われてきたのがこのスタイルです。歯の表面のよごれを全体的に取り除く処置なので、終わったあとはお口の中がスッキリすることでしょう。
② ポイントクリーニング
30分以内、3240円のコース
全体ではなく、部分的に何本かをクリーニングするコースです。最大12本までとさせていただきます。時間があまりとれない方のクリーニングとしてもおすすめです。
③ 舌のクリーニング
30分以内、3240円のコース
舌表面の汚れを除去するコースです。このたび、当院で新設させていただきました。30歳代以上の方では、舌の自浄作用が低下し、舌背表面の乳頭部分によごれがたまりやすくなるといわれます。味覚機能低下の原因にもなるので、一度受けられることをおすすめします。
舌クリーニングについて
舌の表面にたまっている汚れを取り除く処置、それが「舌クリーニング」です。「舌背」と呼ばれる舌の上方の表面は、細かい凸凹した乳頭組織で覆われています。若いときには、この乳頭組織に多少の汚れがたまってもそれを自分で洗い流す、いわば「自浄作用」の機能があり、舌の表面は比較的きれいとされています。正常なピンク色を呈しているものです。
ところが30歳代になってくると、その自浄作用が低下してきます。
結果、舌の表面の色が変化してきます。多くは白っぽいのですが、なかには黒くなっている方も(喫煙者でお見受けすることがあります)。「舌苔(ぜったい)」と呼ばれる苔(こけ)状のものが付着し、そこに棲みつく細菌が増殖することで、舌からニオイを発するようになります。
口臭の原因はさまざまあり、胃腸疾患や口腔疾患(むし歯・歯周病)がおもな原因として考えられるのですが、舌表面の汚れもけっしておろそかにできません。口臭でお悩みのあなた!一度お口の中をみてもらいその原因をたしかめてもらいましょう。舌が主な原因の場合は、舌クリーニングとよばれる処置で舌表面の汚れを取り除いてもらいましょう。
PMTCの手順
1.プラークのチェック
染め出し液を用いて、歯面を染めていきます。うがいをしていただくと、プラークの付着している部位は写真のとおり、紫色に染まります。これを確認することにより、プラークがどんな場所に付着しやすいか、が把握できると思います。
2.クリーニング
歯ブラシを用いることもありますし、右写真のような回転式の器具を用いることもあります。また、炭酸水素ナトリウムのパウダーを歯面に吹きつけて、強力にこびりついたステインを取り除きます。
3.ポリッシング
歯面研磨のことです。
フッ化物を配合したペーストを用いて、
歯面を滑沢にしていきます。
4.むし歯予防のペーストを塗布します。
仕上げにMIペースト(GC社)を塗布します。むし歯予防に適しているので、当院のPMTCの最後に、歯面塗布していきます。
PMTCを受けられるみなさまへ
当院で精力的に行っているPMTC。痛みを伴わない数少ない処置のひとつ、ということもあり、みなさまから好評をいただいております。当院でPMTCを円滑に遂行させていただくために、みなさまにおねがいしたいことがございますので、下記事項をお読みください。
1.時間厳守でおねがいします
ほかの方々の予約診察の都合もありますので、ご来院が遅れないようお気をつけください。少なくとも5分前においでいただければ幸いです。
また、PMTCを受けられる前に、歯みがきをしていただいてかまいません。
その際、当院のパウダーコーナーをご利用ください。
2.こちらも時間厳守で応対いたします
時間内にPMTCを完遂させるべく、当院サイドも以下のように応対させていただきます。
1)前日までに担当スタッフを決めておき、予約時間の枠内でそのスタッフにほかの業務をさせないようにいたします。
2)PMTCの説明は、5~10分程度で、前もって行います。
当日、予約枠内では説明いたしませんので、ご了承ください。
3)はじめての方には、「染め出し」を行い、歯垢がどこに付着しているか、をみていただくのですが、二度目以上の方には原則として行いません。ご了承ください。
4)研磨剤は、粗いもの、細かいもの、などなど状況に応じて使い分けていき、時間内にプラーク・ステインを除去しきれるように鋭意努力してまいりますが、多量に付着しているケースではどうしても時間内に除去しきれないこともありますので、予めご了承ください。
3.予約の変更・取消はお早めに!
予約はお互いの合意のもとでとるものなので、予約時間に来れない場合には、変更あるいは取消の手続を早めにお取り願います。
現在は実施しておりませんが、当日の予約変更あるいは取消、無断キャンセルに対しては、キャンセル料の徴収も考えておりますので、ご注意ください。
PMTC後の注意事項
PMTCをうけられて、お口の中がスッキリしたことでしょうが、
受けられたみなさまには注意していただきたいことがございます。
1.食事のタイミングに注意
歯の表面には上の図で示されるように、ペリクルと呼ばれるタンパク膜で覆われています。プラークは歯の表面に直接付かず、実はこのペリクルの上にくっつくのです。PMTCを受け終えられた歯というのは、このペリクルがきれいに除去されている状態なのです。
ペリクルは歯垢が歯に付く原因だと考えられておりますが、実は外からの刺激を守るというたいせつな役目も果たすのです。それがきれいに剥がされているわけですから、PMTC直後の歯というのは意外にもデリケートな状態なのかもしれません。
そこで、みなさまにおねがいしたいのは、受け終えてからの1時間は食事をとらないでほしいことなのです。タンパク膜が再形成されるにはおよそ一日ほどかかるといわれていますが、一時間程度であらかた形成されるのも特徴なのです。
2.クリーニング後の一日は色のついたものに気をつけましょう
上記理由で、歯の表面はPMTC後はデリケートなのです。だから食事もじゅうぶん気をつけていただきたいのです。とくに色のついたものでは、歯の表面から色素が取り込まれやすいので、結果としてクリーニングを受ける前より歯が黒くなる、なんて事態がおこる可能性がございます。カレーやコーヒーといった色の濃い材料ですね。気をつけましょう。
そのほか、なにか分からないことがございましたら、当院までご連絡ください。
Q&A(質問コーナー)
PMTCに関する質問事項です。
どんなときに受けたらいいの?
むし歯や歯周病の治療が終わってから受けられる方が多いですが、実は、いつでもOKです。むし歯や歯周病の治療に先がけて受けても結構ですし、それらの治療の途中で受けてもかまいません。PMTCではほとんどの方が「お口がすっきりした」との印象を抱いてくださります。そして、この体験がブラッシングをしっかりしようという意識付けにもつながるのです。だから、当院では希望があればいつでも受けられます。
(注:ただし、1時間ほどのお時間が必要なので、事前予約をおねがい申し上げます)
どんなメリットがあるの?
1.歯面にプラークが付きにくくなるので、むし歯や歯周病の予防になる
2.歯の表面の汚れがとれるので、見た目がキレイになる
3.お口の中がスッキリする
4.各種ペースト使用で、むし歯予防につながる
定期的に受けるべきものですか?
PMTCには、
1.口腔内の細菌バランスを改善する効果
2.歯面におけるプラーク付着、プラーク形成を抑える効果がある
3.繰り返しPMTCを受けることがこれらの効果を増強する
ということがいくつかの学術論文で公表されています。
当然、PMTCを繰り返し受けていただいたほうが、むし歯・歯周病の予防に有利でしょう。
間隔は3ヶ月~6ヶ月に一度、のペースで受けられる方が多いです。もちろん、1ヶ月に一度というのでも全然かまいませんし、短期間に集中して数回受けていただくこともかまいません。
そのほか、なにか分からないことがございましたら、当院までご連絡ください。