~診療のご案内~

診療理念を紹介しつつ、当院で行っている診療を併せてご紹介いたします。

当院の診療理念は以下のとおりです。

 

1.「噛み合わせ」をたいせつにする

2.根本的治療のすすめ~再発しやすいお口の疾患としっかり向き合う

3.治療のための検査・診断をたいせつにする

4.見た目のよさにこだわる

5.定期的メンテナンスのすすめ

 

1.「噛み合わせ」について

 噛み合わせはお口のたいせつな機能である「咀嚼(そしゃく)」「発音」「嚥下」「頭部保持」を支えるものです。これがしっかりしていないと上記の機能が低下し、歯やお口のみならず全身に悪影響及ぼす可能性が高くなります。

 

 口は第一の消化器官であります。そこでしっかり咀嚼された食物が食道・胃・腸…と下方の器官で消化され体内に取りこまれます。しかしながらしっかり咀嚼されずに食物が送り込まれると、下方器官にかかる負担が大きくなり、結果として胃腸を含め他の臓器の機能障害を招くことにつながります。また嚥下障害が生じると飲食物が消化器官に送り込まれなくなるばかりか、誤って飲食物が呼吸器官に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」を引き起こす可能性が高まります。

 他方、上下の歯の噛み合わせは頭を支える役割を担います。人のアタマは意外と重量があります。これを首の筋肉だけで支えることになれば頸椎を痛めるばかりか、首・肩・腰など姿勢にかかる箇所を痛め、姿勢悪化をひきおこす一因になります。そこで大切になってくるのが歯の噛み合わせ。ここがしっかりすることで首・肩・背中・腰の負担を減らすことができると考えられます。

 

 「噛み合わせ」は長年の歯の使用や歯ぎしり・食いしばりといったことで歯がすり減ることによっても変わってきます。また、むし歯や歯周病などが原因で歯を失ってからそのまんま放置し、ほかの歯が動いてしまい噛み合わせが変わるケースも多々あります。噛み合わせの変化は全身の健康に影響を及ぼすので、適切な手段で噛み合わせを維持する、もしくは取り戻すことが肝要です。

 

 当院では噛み合わせが崩れた方、もしくは崩れそうになっている方へ、なんらかの補綴装置(インプラント・ブリッジ・義歯など)を早めに入れることをおすすめしていますが、場合によってはテンプレートを用いて補綴治療を行うことも考えております。

 

2.根本的治療のすすめ~再発しやすいお口の疾患としっかり向き合う

 歯周病・むし歯など、口の疾患は再発が多いものです。

 むし歯は歯が溶ける病気、歯周病は歯を支える組織が失われる病気ですが、いずれも口の中の「細菌」が主因と考えられています。しかしながら口の中には無数のしかも多種にわたる細菌が常在しているので、病気の原因菌を完全に撲滅することは事実上不可能です。そこに再発が多い原因があるのだろうと考えられます。とはいえ痛みだけをとる応急処置だけを受けていては、歯周病・むし歯は治せません。根本的に治療を受けることが大切でしょう。

 

 歯周病では病状を進める要因が多々ありますが、いちばんは歯垢歯石です。これらをしっかり取り除くことが歯周病治療の真髄といえます。程度により歯周外科を行うこともありますが、多くは歯面に付着する歯垢歯石を取り除く処置を受ければ改善することが大半です。

 むし歯では溶けてやわらかくなった歯の組織を取り除き、再発しないようにつめもの・かぶせものを適切に入れていきます。むし歯が深い場合は必要に応じて根の治療を要することがあります。

 

 あと歯を失う原因に挙げられるのが歯の破折。歯ぎしり食いしばり等さまざまな原因で歯の根っこが折れてしまう、もしくはヒビ割れするケースがあります。まずは歯ぎしり等で歯や骨にダメージをつくらない予防策としてご自身用にマウスピースをお持ちになるのがよいでしょう。そして不運にも歯が割れてしまった場合は放置すると痛みが広がる(…と共に歯を支える骨もやられます)ので早めに処置を受けることをおすすめします(早めの抜歯⇒補綴処置)。

 

 根本的かつ適切な治療は噛み合わせの維持・回復につながります。

 

3.検査、診断、そして治療…

 適切に治療を行うためには、適切な検査・診断が必要です。

 当院ではレントゲンや歯周病検査などいくつかの検査によりお口の状態を把握し、適切な診断のもとで治療を進めてまいります。

 診断のための検査器具はございますが、いちばん我々が大事にしてるのは「じぶんの目でたしかめる」です。長年の診療で培ってきた肉眼での観察が診断治療を支えてきたのは間違いありません。ただそればかりに頼るのも危険です。いろいろな検査を通じて、今後も適切な診断・治療を進めてまいります。

 

4.見た目をよくする

 見た目のよさは健康の証(あかし)。なんらかの原因で歯が汚れていると、全身が健康そのものであっても健康でないように見えてしまいます。しっかり改善していきたいものです。

 

 歯周病・むし歯が原因ならば適切な治療を受けることが大事ですが、むし歯を伴わずにただ歯面が汚れているケースがあります。こういう場合は歯のクリーニング(PMTC)が有効でしょう。またなんらかの理由で歯の色が暗くなっている場合は近年注目を浴びているホワイトニングが歯の色を明るくしてくれることもあります。

 

 場合によりホワイトニングで色が改善しないケースもあります。神経をとってしまった歯だと歯の中に漂白剤を入れて改善図るケースもありますが、なかなかうまくいかないケースが多いです。そういう場合はつめもの・かぶせもので色の改善を図るほうがよいかもしれません。そのあたりは臨機応変に応対いたします。

 

 歯並びをよくするのも大事でしょう。当院ではアライナー(マウスピースのような装置)を用いたプチ矯正も手掛けております。ちょっとした歯並び改善を希望される方は一度ご相談ください。

 

5.定期的メンテナンスのすすめ

 上記で述べたとおり、お口の中の環境ゆえむし歯・歯周病は再発しやすいと考えられます。したがって、治療を受けた後でも定期的にチェックを受ける必要があります。決して「むし歯の治療を受けたから、もう二度と来なくてよい」ということではございません。

 

 歯周病が進行しやすい方なら比較的短いスパンで(1~3か月に一度)、そうでない方なら長めのスパンで(4か月以上に一度)、メンテを受けましょう。当院からは治療をひととおり終えた方を対象にリコールはがきを出すようにしています。

 また義歯を入れた方でも長く使うことによって、金具が緩んだり、入れ歯が擦り減ったり、などの変化が生じやすいものです。異変出ましたらガマンせず早めに受診し、適切な処置(入れ歯の修繕)を受けましょう。入れ歯を長持ちさせるひとつのコツです。