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矯正のための便宜抜歯

矯正歯科からの依頼で抜歯を行うことがあります。

 

多いのは第3大臼歯(8番)、小臼歯(4番・5番)ですが、抜歯箇所については大半矯正の先生が指示してくださいます。しかしながら、矯正の先生方が判断に苦慮し、当方に意見を求めるケースもあります。

 

最近多くなってきたのは第2大臼歯(7番)と第3大臼歯(8番)どっちを抜くか、のケース。右の写真のように7番が萌出し、8番が埋もれているケースです。

 

この方については上顎は左右とも7番を抜き、下顎は8番を抜きました。

 

7番がしっかり萌出してるのだから抜くのは8番だろ、って思うかもしれません。しかしその8番抜歯が難易度高く、処置により周辺組織(おもに骨)へ多大な侵襲(ダメージ)を与えるならば…8番抜歯が必ずしも妥当とはいえないと考えられます。そういう見解から最近はケースによりきちんと萌出している7番を抜き、のち埋もれてる8番が下りてくる(萌出する)のを待つ、というスタイルをとることが多くなってきました。

 

徳島大学時代から懇意にしていただいてる日浦先生から矯正都合の便宜抜歯を承ることが多いですが、ベテランの日浦先生といえどもやはり判断に苦慮するケースはあるようです。そういう場合はオルソパントモや3D-CTなどレントゲン写真を一緒に診て判断します。

 

矯正を受けるみなさんが不快な症状なく治療が受けられるよう、私どもはそのお手伝いができればと考えております。